お客様へのお願い

このような仰々しい表題をご閲覧いただき、まことに光栄に存じます。

弊店は、店内における上質な空気感を保つ為、節度と教養をもって、
不調法ながらも日々努めております。
故にたいへん勝手不躾ながら、店主の不得要領な裁量次第ではございますが、
お客様へご退店の通告をいたすことがございます。

但、これは調べねばわからぬようなバー文化の通念慣習に拠ってのことではございません。
以下に記しますのは、凡そ大丈夫足り得る振る舞いの一例一端に過ぎません。
衆くのお客様に於かれましては、全く当然のことかと背汗の至りではございますが、
敢えてここに前書きとして記しますこと、どうぞご寛恕の程、伏して宜しくお願いいたします。


<退店告知規約>

原則、弊方から以下の行為について、ご高配を賜りますよう、お願いにあがります。
ご退店の通告は、再三の要請へ従っていただけない場合に限ります。

1.歩行及び意思疎通が困難な程に、泥酔状態の方。
2.声量の調整を求められても応じられない方。
3.他のお客様へのご配慮として、状況に応じて話題を切り替えられない方。
4.別席の方へ必要をこえて、過度に会話を振る方。
5.近隣の席に非喫煙者のお客様がお座りにも関わらず、喫煙具を燻らせ続ける方。
6.店舗従事者に対して、異様な程に高圧的な方。
7.近隣及び他店様のご迷惑になる行為。
8.その他、空間の調和を乱す行為を行う方。

以上、万が一の際は、どうぞご理解とご斟酌くださいまして、
本日のところは、お帰りいただきますと幸甚です。

Bobby’s 「お客様にお願いとバーについて」1986 2月著 複写 関係者配布 参考