今回はこの写真の、左側のボトルについて、かいてみます。
この2つのウイスキーは私の職場にあったものだが、写真にないが(なぜ)他3本を含めて、
私なんぞには身に余るレア・モルトだとおもう。

が、どうしてかあまり日の目をみない場所にあった。
コルクの状態が懸念されたが、やはり案の定というべきか、5本のうちひとつはコルクが欠けてしまいました。

ちなみに、5本のラインナップは、以下である。

 ダンカン・テイラー ”カースブリッジ” 27年

マーレイ・マクダビッド ”モートラック” ディケム 1997/12年

マーレイ・マクダビッド ”ラフロイグ”  ペトリュス 1998/12年

マーレイ・マクダビッド ”ボウモア”   ディケム 1999/12年

イチローズモルト ファーストカスク

そうそうたる顔ぶれといえると思います。
ちなみに、ディケムはソーテルヌワイン のシャトーの名前で、最高峰の貴腐ワインを生産する地としても有名です。
ペトリュスは言わずもがな。
(これでもかというくらい豪華なカスクですね)

今回は前述した左のボトル「ダンカン・テイラー ”カースブリッジ” 27年」の、
かんたんな紹介をしようとおもいます。それ、モルトじゃないですよ、という苦情はききません。

ダンカン・テイラーは、ゴードン&マクファイル、ダグラスレインと並び、
著名なボトラーズであるから、詳しい説明は省きますが、ボトラーズの中で古酒樽の保有数が随一であり、
特に1960年代の樽の保有数は各社と比較してトップであるとのこと。

工程としては、ノンチル・ノンカラーリングのボトリングで、
ウイスキーそのもののポテンシャルを損なわない手法を取っていること。
この2つがダンカン・テイラー社の特徴といえます。

さて、次にカースブリッジというウイスキーですが、シングルモルトばかり勉強してきた私には、
全く耳にすら覚えがないもので、最初、読みやすい記体で書かれている銘柄であるにも関わらず、
なにがなんだか、よくわからずに「ほにゃららかも…」という、ふざけたことを口走っていました。

 カースブリッジというウイスキーは、グレーン・ウイスキーです。
このカースブリッジ、しらべてみると現ボトルの27年が霞むほどにエイジが古いものばかりで、
(ということは閉鎖ディスティラリーなのかな)私には値段もよくわからず、
確たるテイスティングノートも現時点では見つけることができませんでした。

わかったことは、やはり蒸留所が閉鎖されて、もう30年以上経つということです。
今後の蒸留所ブームによって復興されるかは謎ですが、もう後がないという意味では、
やはりトップ・レアといえそうです。(他もすごいけれども)

味は長期熟成ゆえなのか、グレーンゆえんか、非常に穏やかであり、
加水することでより甘みが出たようにかんじました。(よく加水したな)

同年代のシングルモルトより、グレーンであることから重厚感はさすがに薄いけれど、
値段はかなりリーズナブルであり(なんで?)、もう手に入ることはないものですが、
流通していた当時でもコストパフォーマンスに優れた一本であったことが窺えます。

上記のボトルを含む5つのボトルは、古いもので手付かずであったために、
品質が落ちてしまっているという話で、破格(内緒)の値段で飲ませていただきましたが、
一応、年中空調が切れないはずのホテル・ラックにあったのであるし、
日差しや照明の影響をほとんど受けておらず、もともとのウイスキーという品種のタフさと合せて、
そこまで劣化しているとは思えないのですが、どうなのでしょう。

 もしかすると上質であるにもかかわらず、価値があやふやなウイスキーというものは、
酒屋に眠っているのではなく、あんがい店舗側のラックにあるのかもしれませんね。