(雑記)長野・諏訪 / 前編

信州・諏訪に行ってまいりました。
友人との、二人旅です。

避暑や療養、気晴らしを兼ねた旅行というのが建前でしたが、
手首に巻いていた包帯はもう取れているし、なにより眼は精神的な所が大きい気がしているから、
もはや気遣いは必要ないと個人的にはおもっていますが、好意に甘えた結果です。

混雑を避けるために、夜間の出発でした。
車中での仮眠も考慮し、非常にゆとりのある旅でしたが、
名神~中央道を経由して信州まで向かい、大阪を出発した時刻は21時とかだったと記憶していますが、
到着したのは午前の3時を回ろうかと言える頃合いでしたので、やはり長野は遠いなあと、思った次第です。

名古屋・春日井からの中央道は、山裾と形容してよいかわかりませんが、めっぽう天気が悪く、
そしてなにより霧も濃く、前の車のランプだけが頼りの、まさにデンジャラスなドライブで、
友人には気の張ることをさせてしまったと思います。

しかし、悪天候というものは、往々にしてその先にある幸運の前兆といえます。
諏訪の旅は、歴代のなかでも不満の少ない、佳き旅になるであろうというのは、
この往路ですでに、約束されたようなものだったのかもしれません。

さて、信州は京都と似て、典型的な盆地です。
肌に纏わりつく暑さは、どこかで感じたことがあるなあと、妙な親近感をかんじます。
諏訪湖の直径は、おおよそ16キロメートル程で、ジョギングコースとして整備された道が周囲にあるらしく、
しかし「16キロ・・・」と数字で言われても、いまいち距離感がピンとこなかったので、
比較材料を調べてみると、私の自宅である淀川区から宝塚までが18キロ程度でした。
心の中で「誰が走るのだろう」と思ったのも、やむなしではないでしょうか。

しかし、走っている方はこの酷暑だというのに、あんがいな数でいらっしゃる。
ちなみに、上諏訪神社の本宮前に並ぶ売店の奥さんなどに話を聞いてみると、
どうも信州は酷暑が過ぎるようであり、これほど信州が猛暑に耐え、気温でいうと30度をこえるのは、
なかなか珍しいそうです。 確かに、まったく避暑地ではなく、
京都と変わらんと感じる程には、諏訪の暑さはこたえました。そんな中でマラソンをしている方の強靭さと私を比べるならば、私などは水黽以下だろうなとおもいます。

余談ですが、諏訪湖にはほとんど波浪がありませんでした。
おだやかな、静謐な湖です。
年々、水位が低くなっていっていると聞いているので、穏やかさの中にすこし退嬰色が見えるのは、気の所為ではないのかもしれません。 

雨よ、降り給え。
(後編へつづく)